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足摺岬

足摺(あしずり)岬

足摺岬の全国的に珍しいパノラマ角度

  • 四国最南端にあり360度の大パノラマを望める足摺岬は、日本全国でも特に開けた眺望で知られています。

    太平洋の荒波に削られた断崖絶壁と、『台風銀座』と呼ばれるほど多くの台風が上陸するため、常に強風にさらされた野生の椿や木々が山肌に這うように生えている姿などは圧巻です。

    日本全国の岬の中でも特に見晴らしが良いと評価されています。

歴史・由来

  • 足摺岬は四国八十八ヶ所霊場の第38番札所「金剛福寺」の所在地であり、弘法大師空海の開基と深い関わりがあります。

    足摺岬は四国の南西端に位置し、その名前「足摺(あしずり)」は空海が当地を訪れた際、険しい道のため足を引きずって辿り着いたと伝えられることに由来します。

    また、鎌倉時代の『とはずがたり』巻5には、補陀落渡海に関する悲しい故事が記されており、それにまつわる法師の悲哀から「足摺」という名が生まれたという説もあります。

伝説・神話

  • 『とはずがたり』巻5の補陀落渡海の故事
    『とはずがたり』は後深草院二条(ごふかくさいんのにじょう、正嘉2年(1258年)- 不詳。鎌倉時代中期の女性)という女性が鎌倉時代に記した回想録的自叙伝で、その巻5に足摺岬の由来に関する話が収められています。

    その話は、一人の僧と弟子の小法師が修行のために、南方の浄土「補陀落(ふだらく)世界」へ渡海を試みるエピソードです。
    補陀落(ふだらく)とは観音菩薩が住むとされる伝説上の浄土を意味します。
    インド南部に存在すると信じられ、日本でも熊野や足摺岬などで、僧がこの浄土を目指し小船に乗って海へ出発する「補陀落渡海」という行事が行われました。

    弟子の小法師が先に渡海してしまったことを知らされた僧は嘆き悲しみ、泣きながら足を擦り(足ずり)したという行動が岬の名前の由来とも言われています。
    この悲しい故事は、献身的な慈悲の心と人間の悲哀を描き、地域の地名伝承としても重要な位置を占めています。
  • 足摺岬は修験道の場としても重要視され、白山洞門など霊的なスポットもあることから古来より信仰の地とされてきました。

珍しさ・地質的特徴

 

  • 足摺岬は四国最南端に位置し、360度の大パノラマが見渡せる独特の地形を持っています。海と空が織りなす広大な視界は、日本全国の岬の中でも特に見晴らしが良いと評価されています。

  • 足摺岬は約1,700万年前に形成された花崗岩・砂岩・泥岩の互層の地層で構成され、特に花崗岩の海岸段丘と波蝕による奇岩が多数存在しています。

  • 白山洞門や亀石、地獄の穴などの自然造形が点在し、断崖絶壁の壮大な海岸線は太平洋の大パノラマを作り出し観光資源としても価値が高いです。

  • 足摺岬は四国最南端として黒潮の海流が激しく湾岸の生態系も豊かで、独特の自然環境が形成されています。

足摺岬七不思議

  • 「七不思議」は実際には7つに限定されず、21カ所以上の自然・文化の不思議が点在し、弘法大師ゆかりの伝説や歴史的エピソードと結びつきます。
  • 足摺岬灯台から金剛福寺まで続く遊歩道沿いに点在し、景勝地・史跡めぐりと合わせて散策できます。

主な七不思議の内容

  • 大師の爪書き石
    弘法大師が岩に爪で「南無阿弥陀佛」と刻んだとされる石。近くで文字がうっすら確認できる場所があります。

  • 大師一夜建立ならずの華表(鳥居)
    大師が一夜で鳥居を建立しようとしたところ、天邪鬼が鶏の鳴きまねをして石工を騙し、完成しなかったと言い伝えられています。

  • 亀呼場(かめよびば)
    大師がここから亀を呼び、亀に乗って不動岩へ渡り安全を祈ったとされる場所。今でも「お亀さーん」と呼ぶと亀が現れるといわれています。

  • ゆるぎ石
    大師が発見した石で、参拝者が揺らすと小石が落ちるか否かで親孝行の度合いを試すとされる。

  • 不増不滅の手水鉢
    補陀落渡海の際、弟子が先に渡海したことを悲しむ師の涙がこの水鉢の水になったという伝説。

  • 地獄の穴
    金剛福寺付近まで洞穴が続くとされ、昔は硬貨を落とすと音が響いたとされる海蝕洞穴。

  • 犬塚
    僧が生まれ変わって世の平和をもたらすことを願い断崖から身を投げ、待ち続けた飼い犬が息絶えた場所とされる。

参考リンク

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